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トリチウム増殖|燃料を炉の中で作り出す難題

2026-08-10実践

#トリチウム#増殖#ブランケット#実践

核融合の燃料D-Tのうち、三重水素(トリチウム)は自然界にほとんど存在しません。ではどうやって手に入れる?——実は炉の中で作り出す必要があります。

燃料を「自給自足」する

トリチウムは半減期が短く、世界にわずかしかありません。核融合発電を続けるには、使うトリチウムを炉自身が生み出すしくみが不可欠です。

🌱

中性子+リチウム=トリチウム

核融合で飛び出す中性子を、炉の壁に置いたリチウムに当てると、トリチウムが生まれます。この壁をブランケットと呼び、「燃料を増やす」「熱を回収する」二役を担います。

増殖比(TBR)がカギ

⚖️

TBR > 1

使う以上に作れば自給できる

🧱

ブランケット

リチウムで増殖・熱回収

🔬

実証が必要

まだ発電炉での実績は無い

「使うトリチウム量」に対して「作れる量」の比を**増殖比(TBR)**と呼び、これが1を超えないと燃料が尽きてしまいます。1を安定して超えられるかは、実用化の最重要課題の一つ。日本の京都フュージョニアリングなどが、この周辺技術で世界と連携しています。

もう少し詳しく(背景と理論)

D-T 核融合の燃料である三重水素(トリチウム)は、天然にほとんど存在せず半減期約12.3年で崩壊するため、炉は燃料を自給しなければ成立しません1。その舞台がプラズマを囲むブランケットで、飛び出す中性子を壁の後ろのリチウムに当ててトリチウムを生みます(⁶Li + n → T + ⁴He)2。同時にブランケットは中性子の運動エネルギーを熱として回収する発電の熱源、そして外部への中性子遮蔽という三役を担います。成立の条件がトリチウム増殖比 TBR>1ですが、1回の反応で中性子は1個しか出ないため、損失を差し引いて1を超えるにはベリリウムや鉛の中性子増倍材で中性子を増やす工夫が要ります3。この燃料サイクルの成立は発電規模でまだ実証されておらず、原型炉が挑む核融合実用化の決定的な関門です。

つぎに読むなら

Footnotes

  1. トリチウムは半減期約12.3年で崩壊し天然にほぼ存在しない。核分裂炉副産物からの供給も限られ、炉内での増殖なしには燃料が続かない。

  2. ブランケットは「燃料増殖・熱回収・中性子遮蔽」を兼ねる。液体リチウム鉛やセラミックリチウム(Li₂TiO₃等)を用いる方式が開発されている。

  3. 反応あたり中性子1個では損失込みで TBR>1 が難しい。Be や Pb の (n,2n) 反応で中性子を増やし、増殖に余裕を持たせる。ブランケット設計の核心。

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