
核融合の燃料|重水素と三重水素(D-T反応)
2026-08-04 ・ 入門
核融合の燃料は、水素の仲間。中でも実現しやすいD-T反応を見ていきましょう。
主役はD(重水素)とT(三重水素)
水素にはいくつか種類(同位体)があります。核融合で最も起こしやすいのが、重水素(D)と三重水素(T)を融合させるD-T反応です。
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反応で生まれるのは、ヘリウムと中性子、そして莫大なエネルギー。ヘリウムは無害で、中性子のエネルギーを熱として回収し発電に使います。
燃料はどこから?
重水素(D)
- 海水から取り出せる
- ほぼ無尽蔵
- 入手しやすい
三重水素(T)
- 自然界にほぼ存在しない
- 炉の中でリチウムから作る(増殖)
- 確保が技術課題
トリチウム確保がカギ
三重水素(トリチウム)は自然にほぼ無いため、炉の壁(ブランケット)でリチウムから作り出します。これがうまく回るかが、実用化の重要ポイントです。
もう少し詳しく(背景)
核融合にはいくつか反応の組み合わせがありますが、実用炉が第一に狙うのがD-T反応——重水素(D)と三重水素(T)を融合させる方式です。なぜこれかというと、数ある核融合反応の中で最も低い温度(といっても約1億℃)で最も反応しやすいから。他の反応はもっと高温を要し、実現の難易度が跳ね上がります1。燃料の片方、重水素は海水から取れてほぼ無尽蔵。ところがもう片方の三重水素は、自然界にほとんど存在せず、しかも半減期約12年で減っていくという難点があります2。そこで炉は、核融合で飛び出す中性子を壁の後ろのリチウムに当てて三重水素を作り出す——つまり燃料を自分で生産する仕組みを備えます。これが成立するかどうか(燃料の自給)が、核融合発電の成否を分ける決定的な課題の一つです。D-T反応のもう一つの特徴は、エネルギーの約8割を中性子が運ぶこと。この中性子が熱として発電に使われる一方、炉の材料を傷める厄介者でもある、という二面性を持っています。