
日本の核融合|JT-60SA・京都フュージョニアリングの実力
2026-08-14 ・ ビジネス
核融合は日本が長年世界をリードしてきた分野。国家研究から新興企業まで、日本の実力を見ていきましょう。
世界最大級のトカマク「JT-60SA」
JT-60SA
世界最大級の稼働中トカマク
LHD
世界最大級のヘリカル装置
2026年
本格プラズマ実験を予定
JT-60SAは日本と欧州が共同運用する世界最大級のトカマク。コイルの増強を終え、2026年後半に約半年の本格プラズマ実験が予定されています。ITERを補完し、実用化に必要なデータを集めます。ヘリカル方式では**LHD(大型ヘリカル装置)**も世界をリードしてきました。
存在感を増すスタートアップ
日本発の企業が世界と連携
京都フュージョニアリングは、炉の周辺技術(加熱用ジャイロトロン、ブランケット等)で米エネルギー省やORNLと提携。Helical Fusionはヘリカル炉で2030年代の発電実証をめざします。海外のCFSには三菱商事など日本企業12社も出資しています。
国の後押し
核融合は日本の「戦略分野」の一つ。国は基金や国家戦略で開発を後押ししています。基礎研究の厚みと、装置・材料のものづくり力が、日本の強みです。
もう少し詳しく(市場と背景)
日本は核融合研究で世界トップクラスの実力を持っています。長年にわたり国の研究機関(量子科学技術研究開発機構=QSTなど)が大型装置で研究を積み重ね、ITER計画でも中核メンバーとして超伝導コイルなど重要部品を担当してきました1。加えて日本の強みが、核融合の供給網に効く産業基盤——超伝導線材、特殊材料、精密機器などで、半導体と同様に"川上"の技術力を持っています。近年は国も動き、核融合を成長戦略に位置づけて国家戦略を策定し、スタートアップ(Kyoto Fusioneeringなど)も登場して、公的研究と民間の連携が進み始めています2。課題は、米英の民間勢に比べて資金力とスピードで見劣りする点。巨額の民間投資が集まる海外に対し、いかに機動力を高め、蓄積した技術を事業化につなげるかが問われています。とはいえ、確かな研究基盤と、部品・材料の産業力という土台は大きな武器。日本が「核融合を実現する国」の一角を占められるか、あるいは「炉を作る世界の企業に部品を供給する国」として存在感を出すか——どちらの道も、これからの戦略次第で開けています。