
ITER計画|世界最大の核融合国際プロジェクト
2026-08-13 ・ ビジネス
核融合の代名詞的な巨大プロジェクトがITER(イーター)。人類史上まれな国際協力で、フランスに建設が進んでいます。
世界が力を合わせる巨大実験
ITERは、日本・EU・米国・中国・ロシア・韓国・インドが参加する国際協力プロジェクト。世界最大のトカマクを建設し、核融合が科学的に成り立つことを実証します。
7極
世界人口の過半が参加
Q=10
入れた10倍の出力をめざす
巨大装置
重量数万トン級
目的は「発電」ではなく「実証」
ITERは発電しない
ITERは電気を売る発電所ではなく、「大きなトカマクで核融合を長時間・大出力で維持できる」ことを確かめる科学実験装置です。その成果を、次の実証炉DEMO、そして商用炉へつなげます。
課題は遅延とコスト
巨大な国際プロジェクトゆえに、スケジュールの遅延と費用の増大が続いてきました。これが、より小型で速いスタートアップ勢(CFS・Helion等)が注目される背景にもなっています。とはいえ、蓄積される科学データの価値は計り知れません。
もう少し詳しく(市場と背景)
ITER(イーター)は、フランスで建設が進む世界最大の国際核融合実験炉です。特筆すべきはその規模と国際性で、EU・日本・米国・中国・ロシア・韓国・インドという、通常なら利害の対立する国々が共同で参加する、科学史上まれな巨大プロジェクトです1。目標は、核融合出力が投入エネルギーの10倍(Q=10)に達することを実証し、「核融合で正味のエネルギーが取り出せる」ことを世界に示すこと。ただし注意したいのは、ITERは発電をしない実験炉だということ。あくまで科学的・工学的な実証が目的で、実際の発電は次の段階の「原型炉(DEMO)」に委ねられます2。ITERは巨大ゆえに、部品の製造や設計変更で計画が遅れ、コストも膨らんできました。この"大きく遅い"公的プロジェクトへの反動もあって、近年は「もっと速く・安く」を掲げる民間スタートアップが台頭しています。とはいえ、ITERが生み出す科学的知見と、世界中の産業界が最先端部品を作る経験は、民間を含む核融合全体の土台。公的大型プロジェクトと民間の機動力、その両輪で核融合の実現が近づいています。